フッ素と虫歯予防

フッ素と虫歯予防

 

最近、フッ素が含まれている歯磨剤が増えてきていますが、フッ素が本当にむし歯を防ぐことができるのでしょうか?

 

 答えは、「防ぐことができます」。フッ素配合の歯磨剤で歯を磨いた時の効果は30~40%ほどとされています。フッ素は、天然の飲食物には例外なく含まれ、人体には特に歯や骨に多く存在します。食品としては、魚、貝類、お茶などに多く含まれています。歯や骨が作られるうえで、また、丈夫な骨を維持するうえでもカルシウムやリンとともに人体に必要な微量元素であってミネラルでもあります。

 

  では、なぜフッ素がむし歯を予防するのでしょうか。第一にフッ素が歯のエナメル質に作用して、むし歯の攻撃に対して抵抗性のある強い結晶をつくることです。第二に溶かされたむし歯を修復する作用があります。これを再石灰化作用といいます。第三にフッ素はむし歯の原因菌に対して抗菌作用があります。

 

  このようにむし歯に効果があるフッ素をどのように使用したら良いのでしょうか。自分でできる方法としては、フッ素配合歯磨剤の使用がいちばん簡単で安価でしょう。フッ化物洗口法は、フッ化物が医療品扱いですので、歯科医師の指示と指導が必要です。歯科医師に処方してもらい毎日うがいして応用することになります。歯科医師が直接応用する方法としてフッ素塗布があります。年2~3回の応用になります。

 

  フッ素を応用する時期としては、新しい歯が生えてくる時期が最も大きな効果を発揮します。つまり、乳歯は生後6か月から2歳すぎごろまで、永久歯は5歳ごろから中学2年生ごろまでです。

 

  もっとも最近ではフッ素の応用は一生続けるべきであるとされています。

 

  そこでフッ素配合の歯磨剤の効果的な使用法を説明します。歯磨剤の量は約0.5g以上で使用し(歯ブラシと

おなじ長さ)、磨く時間は3分以上必要です。すすぐ回数はあまりうがいをするとフッ素のほとんどが口の外に出てしまいますので、2~3回程度にして下さい。歯磨の回数は就寝前と毎食後の計4回行って下さい。また、歯磨き後の約1時間は飲食を避けた方が効果があります。